MURABOSHI’s blog

星空サークル ”むらぼしの会” (東京都国分寺市) のブログです。

☆むらぼしの便り☆(No.4)・・・星が産まれている現場、オリオン大星雲

M:「3月になったというのに雪が積もったりしてまだまだ寒いけれど、

もうあと少しで本格的な春が来るね。

この間は冬の終わりにオリオン座を観ることができて楽しかったよ。」

 

H:「うんうん、オリオン座は3月いっぱいまでは夜8時ごろに西の空に沈んでいく姿が観られる。

その次に観られるのは秋の夜明けの東の空だね。」

 

M:「三ツ星の下に縦に並んだ子三ツ星、その真ん中がオリオン大星雲だというのもおぼえたよ。

オリオン大星雲は巨大なガス雲で、いままさに星の赤ちゃんが産まれている現場。

産まれたばかりの星たちにガスが照らされて赤く輝いてる。

初めてその星たちを電視観望とか眼視で観ることができて感動したよ!」

オリオン大星雲。鳥が羽を広げたような形をした散光星雲。

H:「お~~、すごい。かなり詳しくなったんだね!」

 

M:「電視観望だとガス雲のモクモクしている感じまで詳しく観察できるのが良いね!

他の天体も電視観望で観れたらいいな!」

 

H:「そうだね!ぜひまた計画してみよう!

マチュア天文家はプロの天文学者が行なう観測のようにはいかないにしても、

それでも技術の進歩でアマチュアが観られる範囲が広がってきているよ。

少しでも多くの人達と共有できると良いと思うんだ。」

 

M:「技術が最先端の科学探査だけじゃなく、沢山の市民にも恩恵を及ぼしているんだね。

そういったツールを上手に活用していきたいね。」

 

H:「そうだね。天文・宇宙は「みんなの科学」「みんなの文化」だと思うんだ。」

 

M:「素晴らしい。自分ももっと宇宙を観て、もっと知っていきたいな!」

☆むらぼしの便り☆(No.3)・・・星空写真を撮ろう(その弐)

M:「おはよう」

 

H:「やあ、おはよう」

 

M:「こないだの星空写真の話の続きを聞きたくて待ってたよ!」

 

H:「そうなんだね!星空写真へのモチベーションがどんどん高まってるね!

さっそく続きを話させてもらうよ。」

 

M:「よろしくね!楽しみだ〜〜」

 

H:「で、今回はカメラの仕組みを少しお話ししようと思うんだ。」

 

 

M:「カメラの仕組みか。。そうは言ってもさ、僕は高価なカメラを買う余裕はなかなか無いんだよね。。せいぜいスマホのカメラで撮影する位かなあ。」

 

H:「う〜んそっか、それは重要な問題だね。

カメラを買うかどうか、買うとしてもいつ買うかの判断は、それはもう各自にお任せするしかない問題なんだけどね。

それにしても、カメラの仕組みを知るということは決してムダではないと思うんだ。

いつか良い天体写真を撮るためにも、カメラへの理解を少しでも深めてもらえたら嬉しいな!」

 

M:「う〜〜ん解ったよ。カメラというモノの有る無しはともかくとして、学ぶ姿勢が大切だね。」

 

H:「ではさっそくまずはズバリ、デジタルカメラで写真が写る仕組みからお話しを始めよう。」

 

M:「仕組みね、、”デジタル”っていう所がポイントになりそうかな?」

 

H:「そうだね。

ひと昔前はアナログのカメラ、つまりフィルムカメラが使われていた。

カメラの「フィルム」というのはハロゲン化銀という物質が塗ってあって、シャッターを開くとカメラの内部に入ってきた光に当たった部分が反応して黒く変わるのを利用して風景などを記録していたよ。」

 

 

M:「ふむふむ。。

それで、いま皆んなが使っているデジタルカメラはそれとは仕組みが違うの?」

 

H:「そうだね。光の情報を記録する方法はガラリと変わったよ。

ただ、カメラの何もかもが変わった訳じゃないよ。光を集めるレンズの仕組みは変わらないから、昔のレンズだって今でも使うことは出来ない訳じゃない。」

 

 

M:「記録のしかたが変わったのがフィルムからデジタルへの変革だったんだね。」

 

H:「今ではフィルムの代わりにイメージセンサという電子部品がカメラの内部に入っているよ。

ピクセルっていう言葉は聞いたことがあるかな?」

 

M:「ピクセルね。例えば「このカメラは2000万ピクセル」とか言うよね。」

 

H:「そう。2千万ピクセルとかあるいは同じ意味だけど2千万画素とか、ね。

イメージセンサはそのピクセルが碁盤の目のようにびっしりと並んでできているよ。

その一つひとつがフォトダイオードといって、光が当たったらそれを電気信号に変換する働きをしてるんだ。」

 

M:「なるほどね。それが「写真を写す」っていう事だって訳か。

でも、電気信号になっただけで記録ができるのかな?」

 

H:「そう。話しはまだ終わりではないね。

電気信号を、AD変換(AnalogからDigitalへ)といって0(ゼロ)と1だけで表されるデジタルデータに変換する。

そして、それをお馴染みのSDカードなどに記録するよ。

これで最終的に、撮影した画像をデジタルで保存できるんだ。」

 

M:「なるほど!

細かい話しは別としても、大まかな仕組みは解ったよ!」

 

H:「ちなみに、イメージセンサには何種類かのサイズがあるよ。

フィルムカメラ時代には「35ミリ」という規格が標準的だった。35ミリとは画面の対角線の長さを意味していたよ。

いまのイメージセンサにも「35ミリ」あるいは「フルサイズ」と呼ばれている規格があるよ。

これは写り込む広さ、「画角」と言うけれど、これがだいたい35ミリフィルムカメラと同じ位になるから昔の「35ミリ」の名前を借用しているようだよ。

それ以外のサイズとしては「APS-C」サイズセンサとか「4/3」型センサがあるよ。」

 

 

M:「それぞれ写り込む広さが違うんだね。

画質の綺麗さには違いがあるのかな?」

 

H:「やっぱり、大きなイメージセンサのもののほうがピクセル数が大きくて、それだけきめ細かく画像を記録できる訳だから、画質もより綺麗になるよ。」

 

M:「なるほどね。

デジタルカメラのことが少し解った気がするよ!

それにしても、デジタルになったことでどんな良いことがあるの?」

 

H:「それは色々あるよ。

まず、デジタルではフィルムのような現像(げんぞう)作業は不要だから、撮ったその場で写り具合を確認できるのは最大のメリットだね。

デジタルは0(ゼロ)と1だけで記録するからフィルムのようにかさばらないし、何年も経っても劣化しないこともメリット。

あとは、デジタルだとパソコンなどで簡単に画像を加工して出来栄えをより良くすることもできるよ。」

 

M:「良いことがそんなに沢山あるんだね!」

 

H:「デジタルカメラの時代になって、誰もが気軽に星空写真を撮影できるようになってきたよ。

カメラのことをもっと知って、より綺麗な星空写真を撮りたいね。」

 

 

☆むらぼしの便り☆(No.2)・・・星空写真を撮ろう(その壱)

H:「おはよう。」

M:「やあ、おはよう。
そういえばさ、このあいだ見せてくれた星空写真、とっても綺麗に撮れていたと思うよ!」

H:「あはは、そう言われると照れるなぁ。。
自分自身ではまだまだ未熟な腕前だと思ってるんだけどねぇ。」

M:「いやいや。僕は星空の写真を撮ったことないからさ。
ふつうに昼間の風景を撮るのとは撮影方法も全然違うんだっけ?
どうやって撮るのか分からないから教えてほしいな!」

H:「おぉ、星空写真を撮ってみたいんだね!
じゃあ、さっそく解説してみよう。
とはいえ、撮影スキルを高めるのには一定の期間も必要になってくるから、
まずは入門編からね、なるべく分かり易く話してみよう。」

M:「楽しみだ~!宜しく頼むよ~~」

H:「まず、天体写真を撮ろうとするときにふつうの風景写真と大きく違うのは、
カメラでとってもとっても弱い光を捉えなくちゃいけないという点なんだ。」

M:「ふむふむ。星自体、昼間は太陽の光でかき消されてしまっているし、
太陽が沈んだ後もじゅうぶんに空が暗くなってからはじめて見えてくる訳だから、
とっても弱い光だよね。」

H:「うんうん。その弱い光を捉えるために、
カメラのシャッターを長時間開いたままにして撮影する必要があるよ。」

M:「長時間っていうと、どのぐらい?」

H:「特にどれぐらいとか決まっている訳じゃなくてケース・バイ・ケースなんだけれど、
最低数十秒は必要だよ。」

M:「数十秒か、、昼間の風景写真の撮影は何百分の1秒とか何千分の1秒とか一瞬で終わっちゃう訳だから、
それに比べると数十秒は確かに長時間だよね。
手ブレしないように、やっぱり三脚は必須だよね?」

H:「うんうん、三脚は必須アイテムだね。
それと、シャッターを開ける時間を数十秒よりもっと長くする時には、
赤道儀も必要になるよ。」

M:「えっと、、「赤道儀」って名前は聞いたことあるけれど、どんな機械だったっけ?」

H:「「赤道儀」は日周運動する天体を望遠鏡で追尾して観測できるようにするための装置だよ。赤道儀には望遠鏡を載せる代わりに、カメラだけを載せることもできるよ。
赤道儀を使わないで三脚に固定しただけのカメラで長時間の撮影をする場合は星は日周運動のために画面の中で流れて写るけれど、赤道儀で星を追尾しながら撮影すると、画面の中で光る点として写すことができるよ。」

M:「なるほど。。赤道儀がどういうものか、大雑把には解かったよ。」

H:「これから詳しく解説していきたいけれど、話がだいぶ長くなるから、今日のところは改めて赤道儀の実物を見てもらいたいな。」

シンプルで扱いやすい赤道儀ビクセン製。天体を望遠鏡視野に座標値で導入できるように自作の目盛を付けています。

赤道儀にカメラ等を搭載するためのプレートと自由雲台を取り付けたところ。"自由雲台"とはいえここではカメラを取り付けるためだけの用途なので完全固定で使用。

プレートと雲台を介してカメラを赤道儀に搭載。

 

☆むらぼしの便り☆(No.1)・・・子持ちシシャモ銀河

M:「おはよう」

H:「やあ、おはよう」

M:「だんだん春めいてきたね。
春は「銀河の季節」だってね〜。
おススメどころはどんな銀河?」

H:「M51あたりはなかなか面白い銀河だよ。
通称「子持ち銀河」って呼ばれているんだ。
北斗七星の柄(え)の先っぽのすぐ近くにあるよ。」

M:「子持ち銀河!?

なんだか、子持ちシシャモみたいなネーミングだねぇ(笑)」

H:「うんうん、たしかに!(笑)
では、この写真を見てみてくれる?」

M:「おおぉ〜〜!

綺麗な渦巻銀河だね!
ん〜〜!?上の方にある丸い部分、
カンマ印(,)の様な、オタマジャクシの様な形。。
これは何だろ?」

H:「その部分はNGC5195という別の銀河なんだ」

M:「なるほど!
M51が親でNGC5195が子どもって訳だね。」

H:「じつはこの2つの銀河、今まさに衝突している所なんだよね。」

M:「おぉ、そうなんだ!?
銀河どうしも衝突することがあるんだね〜!!」

H:「銀河同士が衝突するのは宇宙では珍しいことじゃないんだ。
むしろ、銀河は衝突・合体して成長してきたんだ。」

M:「へぇ〜!その現場を観ることが出来るって、面白いね!」