MURABOSHI’s blog

星空サークル ”むらぼしの会” (東京都国分寺市) のブログです。

☆むらぼしの便り☆(No.10)・・・星の寿命はどうやって決まるの?

M:「先週は年老いた星々の話を聴かせてくれたけど、ひとつ質問してもいい?
どうしてそういう長生きできる星々が居るのかな?」

H:「なるほど、星にとっての「長生きの秘訣は?」みたいな質問だね。
星の寿命が尽きるというのはつまり、星が自分自身を光らせているための燃料が切れるということを意味しているよ。
ところで、星には重い星から軽い星まで様々な重さがあるんだ。
星の寿命の長さは、重さによってほぼ決まってしまうんだよ。」

M:「なるほど、わかった! 重たい星ほど燃料を沢山持っているから、長生きするということだね!?」

H:「そう思いたくなるでしょ? 実はまったく逆で、重い星ほど短命で、軽い星ほど長生きなんだよ。」

M:「ええっ! そうなの!?
それはまた、どうして??」

H:「星は、水素やヘリウムを燃料に、星の光としてエネルギーを放出している。
星の内部で起きているこのエネルギー転換のことを“核融合反応”というよ。
重たい星ほど自分自身の重力で中心に向かって押し縮める圧力が高いから、核融合反応も速く進むよ。
それで、確かに重い星ほど沢山の燃料を持っているんだけど、燃料を消費するスピードが速いからかえって早く燃料切れになってしまう、っていう訳なんだ。」

M:「なあるほど! 目からウロコが落ちたよ!」

H:「ちなみに、太陽の寿命は100億年程度と考えられているのに対して、
太陽の2倍重いシリウスの寿命は18億年、太陽の20倍重いベテルギウスの寿命はわずか1000万年と見積もられている。
逆に太陽の半分の重さの星だと寿命は800億年もの長さになる計算だよ。」

M:「ふむふむ。先週聞いた、天の川銀河のハローにいる球状星団の星々やその他のハロー星は年齢が100億年を超えているということは、みんな太陽よりも軽い星たちということだね。」

H:「そういうことだね。」

M:「ところで、実際の星々がいま何歳なのか、って観測からどうやって判るのかな?」

H:「それじゃあ、次はその辺の話をじっくり話してみたいな。」

春の星座ヘルクレス座にある、球状星団M13