M:「ポン・ブルックス彗星、もうかなり明るくなってきているみたいだね。」
H:「うんうん、2等星ぐらいの明るさに増光しているよ。
観てみたいよね!」
M:「ところで、彗星ってどうして尾を引いてるのかな?」
H:「ひとことで言えば、彗星の本体から蒸発した物質が太陽風などに吹き流されて尾を引いているんだ。」
M:「なるほど。なんとなく解かった気がする!
彗星が太陽に近づくと彗星の本体が太陽の熱を受けて蒸発を始めるんだね。」
H:「そう、その通りだよ。
彗星の本体のことをコマと呼んでいるよ。コマというのはラテン語で”髪の毛”という意味。
このコマはよく”汚れた雪玉”に例えられることがあるよ。
水の氷のほか、一酸化炭素や二酸化炭素、メタン、アンモニア、シアン化水素などの氷とともに、様々な塵が混ざってできているよ。」
M:「その氷が融けだしてガスになったり、塵が飛び出してきて彗星の尾になる訳だね。」
H:「彗星の尾には2種類あるよ。
まずはダスト・テイルというもの。
ダストは塵(チリ)、テイルは尾のことだよね。文字通り塵でできている。
もう一つはイオン・テイル。イオン化されたガスでできているよ。」
M:「で、さっき言ってた、太陽風などに吹き流されて尾を引く、ってどういう事なの?」
H:「太陽風というのは、太陽が宇宙空間に撒き散らしている、電気を帯びた粒子の流れのこと。
イオン化されたガスは太陽風に吹き流されて、太陽とは反対方向に延びるイオン・テイルになるよ。
それから、太陽の光にも「輻射圧」という圧力があって、塵も太陽とは反対方向に延びるダスト・テイルになるんだ。」
M:「そうなんだ!
彗星の尾というのは進行方向の後ろに延びているものだとばかり思ってたけれど、
実際には太陽の反対方向にたなびいてるって訳なんだね!」
H:「彗星のコマについては近年、探査機が近くまで行って観測したり、物質のサンプルを地球に持ち帰るということが行なわれているよ。」
M:「それはすごい。だんだんと彗星の正体が解明されているんだね!」